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28mm単焦点で切り取る草花たち

あえて広角単焦点で身軽に草花を切り取る選択肢を

いつも本ブログをご覧頂きましてありがとうございます。

今回は標準〜望遠が定番であろう草花の撮影に、あえて28mmの広角単焦点で切り取る楽しさをお伝えしたいと思います。

28mm

草花撮影の定番は望遠

広角の楽しさをお伝えする前に・・・
草花撮影は基本的に、下記の理由で望遠の方が撮りやすいと考えています。

  • 圧縮効果で満開感を演出しやすい
  • 画角の狭さとボケ量で引き算がしやすい
  • 比較的ボケ感が手軽に得られて、雰囲気を出しやすい
  • 花畑など立ち入れない場所の被写体にも寄れる

ざっくりとした作例ですが、以下のような写真になります。

全て中望遠以降の画角で撮影しています。

自分で言うのも何ですが、割と良い雰囲気で撮れていると思います。
ご覧の通り写真がまとまりやすく、広角ほどロケーションに左右されにくい点が望遠の強みです。

あえて広角単焦点を使う理由は?

その中で、あえて28mmの広角単焦点を使用する理由はこちら。

望遠と比べて身軽

一概には言えませんが、広角単焦点の方が望遠より軽量な傾向が有ります。
その為、身軽に切り取れる点が広角単焦点を使う大きな理由の1つとなります。

GFX100RFです。
800g切りなので、軽快に切り取れます。

寄り引きで印象が大きく変えられる

引けば風景写真として広々と、

寄れば背景をぼかしつつ、主題にクローズアップした1枚が撮れる画角です。

寄りと引きでかなり変化を付けやすい画角なので、どう切り取るか?の楽しみがあります。
寄ればパースは付きますが、比較的マイルドなのも使いやすいポイント。

望遠のように密集感を演出するのは不得意ですが、花のある綺麗な風景を広く切り取れます。

28mm

密集感の演出も出来ないわけではなく、一本で撮り分けて使いこなしていく感覚がとても楽しい画角です。

同じ28mm・同じ紫陽花でも、寄り引きだけで大きく印象は変わります。

汎用性の高さ

広い範囲を写せるので、一本で花だけでなく他の撮影も万能にこなせます。

花+風景も、

記録的な写真も、

移動中に見つけた、ちょっと良いなと思ったシーンのスナップ写真も

屋内撮影も、

座ったままでテーブルフォトも一本でこなせます。

24mmほど広すぎず35mmほど狭くなく(当たり前ですが)、空間をぼちぼちの広さで不足無く切り取れます。
leica のQシリーズや、RICOHのGRシリーズがこの画角であることも、汎用性の高さの裏付けかと感じています。

引き算の難しさと、やりがい

28mmはその画角の広さから、意図せずとも写すつもりのないものが入り込んできます。
写真は引き算が基本なので、これらをいかに除外して、自分の写したいものを残していくかが問われます。

画角の狭い望遠と比べて広角の引き算は難しいですが、そんな過程が楽しいですし、上手く引き算できた時の喜びはひとしお。
また、構図の整理力を鍛えられているように感じます。

どうしても引き算できないものは、いっそのこと背景として取り込んでしまい、活用してしまうなんてことも覚えました。

実際の背景は雑然としていますが、飛び出た枝に寄れるだけ寄って背景整理しています
広角でも、寄れば意外とボケてくれます。

足し算する楽しさ

引き算が基本と言いましたが、望遠と比べて足し算がしやすいのも広角の良いところ。
主題がどん!に背景を大きくぼかして、玉ボケキラキラと言う写真もシンプルで好きです。
しかし、取り入れたい要素を足し算して、ロケーションの情報や魅力を背景に語らせるなんて事がしやすいのも、広角の良いところです。(自分の主観と好みが多いに入っております😆)

逆光のワンシーン。
銀杏の木の大きさがスポイルされずに伝えられます。
もう少しあおって、道路の情報を引き算しても良かったかもしれません。
ロケーションにピンとくる方もいるはず。
愛知県の形原温泉あじさいの里での一枚です。
寄りで余分なものは省きつつ、紫陽花の背景に赤い花を取り入れて、さらに写り込みを利用して傘を差した通行人も取り込みました。
画面の各所に紫陽花を取り込みつつ、空まで足してみました。
本光寺での一枚。
ハート型の紫陽花を主題に、山門までぼかして取り込みました。

広角単焦点を使用した際の難しい点

適当に撮ると適当な写真が撮れる

引き算の難しさで触れた通り、意図しないものも写り込む画角なので、適当に撮ると適当な写真が量産されます・・・

後から見返していて、なぜ撮ったのか?となる事も良くあります😅

🤔?

ロケーションに依存する側面がある

寄らないとボカして背景処理することが難しい、また画角が広いことから、ロケーションによって撮れる写真が左右されます。

まばらに咲いているロケーションはまばらに映りますし、被写体に寄れない場合は写せるサイズも極小となります。

特に、寄れないロケーションは引き算が困難となり、容赦無く背景も写り込んできます。

緑一面に花一輪になるよう引き算したのと、XF18mm F1.4の開放で少しでもボケを利用した1枚です。
まだ引き算できた方かと思いますが、寄れないだけで背景がこれだけ写り込むと思うと、恐ろしいです😇

その反面、望遠ならまばらに咲いていても満開感を演出したり、一輪にクローズアップすることで魅せることが可能です。
また、入れない場所にある被写体も大きく写すことができるので、花の撮影において基本的には望遠の方が撮りやすいと思います。

望遠の1枚

作例

GFX100RF

2025年のGFX100RF発売後に数ヶ月以内に記載した記事なので、撮影した季節が偏っていますがご了承ください。

※写真により、ブラックミストNO.1・クローズアップレンズも使用しています

引き算する時は、まずはとにかく被写体に寄ります。

広角で引き算出来た時の喜びは別格です。

ビルまで背景として取り込めるのも、広角の魅力。

XF18mm F1.4 R LM WR

GFX100RFよりさらに寄れてF値も低いので、こちらはもっとボケを活かせます。

ぱっと見で28mmで撮ったとは分かりづらい1枚だと思います。
その焦点距離らしさを排除した写真を撮れた時も、嬉しくなります。

まとめ

色々書きましたが、
・軽快に
・寄り引きと足し引きを駆使して
・一本でいかに切り取るか?
が楽しい焦点距離になります。

また、様々な被写体に対応できる汎用性の高さも兼ね備えた画角です。

28mmの単焦点が無くとも、標準ズームのレンジにほぼ入っている画角となりますので、興味を持たれた方は28mmにぜひチャレンジ下さい!