花の撮影に「クローズアップレンズのすすめ」
「もう少し大きく写したい」を手持ちのレンズで叶える、ちょっと便利なアイテム
いつも本ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。
今回は手持ちのレンズでもう少し寄れたらな・・・
でも、マクロレンズを買うのも・・・と感じたことがある方に向けた、クローズアップレンズの紹介記事となります。
クローズアップレンズを使用すれば、焦点距離200mm・最大撮影倍率が0.18倍のレンズも、等倍マクロ並に化けます。
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クローズアップレンズとは?
装着することによって、レンズごとの最大撮影倍率と最短撮影距離を超えて被写体を大きく撮影できるアイテムです。
ケンコーさんを例に挙げると、No.01からNo.10までラインナップされており、数字が大きくなるほど最短撮影距離が短くなり、被写体を大きく写せます。
装着方法はフィルターと同様に、レンズ先端へのねじ込みです。

今回使用したクローズアップレンズはこちら
Nisiクローズアップレンズ 77mm
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実際、どれだけ大きく写せるようになる?
装着してどれだけ大きく写せるようになるかは、そのレンズの焦点距離及び最短撮影距離によって変わります。
あまり寄れないレンズを例に、見比べて見たいと思います。
XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
ボケがキレイで描写も素晴らしい、Xマウントが誇るF2.8ズームの望遠担当です。
欠点として、あまり寄れず最大撮影倍率も低い(最短撮影距離1m、換算の最大撮影倍率は0.18倍)のですが、装着するとどうなるのでしょうか?
まず、未装着(最短の1m)から。

続いて、クローズアップレンズを装着した場合の最短撮影距離はこちら。

非常に寄れるようになります。
実写の差は下記の感じです。
望遠端での最短撮影距離の1m。

クローズアップレンズ装着。

ちなみに、装着時は広角端と望遠端でそれぞれ倍率が異なります。


画質
まず1番に画質が気になる方が多いと思いますので、こちらから。
開放は少々緩くなる
開放付近はふんわりとヴェールがかかったように、ふんわりと写ります。
解像感も若干落ち気味なので、拘るなら一段以上絞ることをお勧めします。

絞ればしっかり
元のレンズの描写にもよりますが、1-2段絞ればしっかり写るようになります。
基本的に大きく寄っての撮影となる関係上ボケすぎるので、結果的に絞ることが多くなります。
そのため、開放が甘い点はそこまで気になる事は有りません。

クローズアップレンズのメリット
手持ちのレンズで寄れるようになる
これが1番のメリットで、お気に入りのレンズの活躍機会を増やせます。
クローズアップレンズごとに寄れるようになる度合いは異なりますが、nisiの77mmですとフルサイズ換算の50mmで約0.3倍、85mmで0.5倍、200mmで1.0倍になります。
私が愛用しているSIGMA 50mm F1.2 DG DN ARTも、0.16倍がおおよそ0.30倍くらいになり、使い勝手が大きく向上しました。
背景整理がしやすくなる
最短撮影距離が短くなるメリットとして、寄っての背景整理がしやすくなる点も見逃せません。
寄ることで単純に被写体の引き算をしたり、被写界深度が浅くなる事を利用して前後をボケで消し飛ばすことも可能です。

気軽に寄れる手段としての価値
寄れる本命のマクロレンズと比較しても、手軽さが際立ちます。
焦点距離によって倍率が及びませんが、マクロレンズより安く、さらに寄りたいなと思った時のレンズ交換の手間が無いため、気楽に寄りの撮影を楽しめます。
デメリット
装着するだけで最短撮影距離が短縮できる便利なアイテムですが、欠点もしっかり有ります。
合焦範囲に大幅な制限が入る
装着した状態では無限遠側へピントが合わず、近接撮影専用状態となります。
例えば、合焦範囲が通常50センチ〜無限遠のレンズに装着すると、25センチ〜50センチほどとなり50センチ以遠はピントが合いません。
再び無限遠方向を撮影したい場合は、クローズアップレンズを外す必要があります。
撮影距離がシームレスに繋がらない場合も
広角〜標準の焦点距離なら、レンズそのものの最短撮影距離と、クローズアップレンズを付けての撮影距離がシームレスに繋がります。
これにより、レンズ本来の最短撮影距離を超えた背景整理が非常にしやすくなります。
[例]
レンズの撮影距離 45cm〜無限遠
クローズアップレンズ装着時 25cm〜50cm
ただし、望遠側になるにつれて、これがシームレスに繋がらなくなっていきます。
[例]
レンズの撮影距離 100cm〜無限遠
クローズアップレンズ装着時 25cm〜40cm
→40cm〜100cmは合焦不可
レンズの最短撮影距離以上に寄りたい・・・となってクローズアップレンズを装着しても、合焦出来る撮影距離に「穴が空いてしまう」ので、扱いにくさを感じる一面も。
ダブって写る場合も
おそらく逆光状態だと起きるのですが、下記のように像がダブって写る場合もあります。

脱着が少々手間
ねじ込みフィルターなのでレンズ交換ほどでないにせよ、それなりの手間がかかります。
ただし、この欠点は「とあるアイテムの導入」でかなり軽減できます。
詳しくはこちら
ケラレる
クローズアップレンズ自体がある程度長いものになるので、画角とフィルター径によってはケラレます。

クローズアップレンズの径は77mmで、手持ちのレンズだとケラレ具合は下記の通り。
※フルサイズ換算
82mm径・24-70mm→全域でケラレる
77mm経・24-85mm→24-40mmくらいまでケラレる
72mm径・70-210mm→ケラレない
比較的、望遠向けのアイテムと言えます。
レンズのフィルター径に左右される
クローズアップレンズは装着の方法上、レンズのフィルター径に左右されます。
装着したいレンズが複数あり、かつそのフィルター径がバラバラですと、その分ステップアップorダウンリングが必要になる点が煩わしいです。
フードとの併用が難しい
地味な欠点ですが、フードの深さによっては付け外しが出来ない場合があります。
また、ステップアップリングを使用するとなると、そもそもフードの装着自体が出来ません。
特に、雨の日こそ寄りの撮影をしたいところですが、フードで雨を防げなくなる点がかなり不便に感じます。
他の寄れる選択肢との比較
マクロレンズ
寄れる選択肢の大本命、マクロレンズです。
当然ながら、寄りの画質とマクロ撮影に拘るなら、マクロレンズを使用した方が間違いないと思います。
ただ、私の花の撮影スタイルではマクロレンズほどの倍率の必要性を感じず、クローズアップレンズに落ち着いています。
(マクロレンズは寄らない場合はF2.8の単焦点になってしまうので・・・)
マクロと比較してクローズアップレンズのメリットは、
・寄るのにレンズ交換が不要
・マクロレンズを新たに購入しなくてOK
・マクロレンズを持ち歩かなくてOK
です。
接写リング
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ボディとレンズの間に取り付けて、最短撮影距離を短縮するアイテムです。
ただし、このアイテムはレンズ交換に更にワンアクション加わるので、正直煩わしさを感じます。
「1番面倒な」寄る選択肢と言えますが、接写リングだけのメリットがあります。
それは同じマウントなら、レンズのフィルター径を選ばない点です。
クローズアップレンズはレンズのフィルター径に左右されるのが手間ですが、接写リングはその煩雑さがありません。
また、クローズアップレンズのようにケラレないのもメリットですね。


脱着をスムーズにする便利アイテム
クローズアップレンズはフィルターに装着する関係上、ねじ込む動作が必要でこれが地味に面倒です。
しかし、それを楽にする便利アイテムがあります!
コンバージョンリング(フィルター側)
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アダプターリング(レンズ側)
https://amzn.to/3HaAMNz
こちらはマグネットの力で、装着をワンタッチにするアイテムです。
使い方は簡単で、ねじ込みで装着している箇所へコンバージョンリングとアダプターリングを装着すればOK。
ねじ込む際は装脱着に10秒くらいかかっていましたが、インスタントアクションだとポンと付け外しが出来て、ものの数秒で済みます。
このアイテムで、私のクローズアップレンズ生活はかなり快適になりました。
注意点としては「マグネットの力で付いているだけ」という点です。
物理的に何かに引っ掛けたりすると、クローズアップレンズに落下のリスクが有るので要注意。
作例
SIGMA 50mm F1.2
0.16倍→0.3倍まで寄れるようになり、寄りで迫力を出せるようになります。
元のレンズの性能が高いので、軽く絞れば満足できる解像性能を発揮します。










XF50-140mm F2.8
寄れないことがウィークポイントのレンズですが、クローズアップレンズを付けると換算70㎜でおおむね0.4倍前後、換算200mmで1.0倍くらいになります。
合焦範囲が狭いですが、擬似的に等倍マクロレンズになり得ます。







まとめ
寄りたい場合、最初にマクロレンズが連想されがちですが、もっとライトな選択肢としてクローズアップレンズをご紹介しました。
マクロレンズと比較すれば画質や使い勝手に劣る部分は有りますが、手軽さではクローズアップレンズが優れています。
最大撮影倍率がそこまで必要ない、たまに寄る程度ならまずはクローズアップレンズを試されることをオススメします。
ここまでご覧頂き、ありがとうございました!
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