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XF50-140mm F2.8で切り取る春の草花とレンズレビュー(作例100枚)

2023年10月19日

Xマウント渾身のF2.8望遠ズームで切り取る桜〜藤など

いつも本ブログをご覧頂きありがとうございます。
今回は新しく導入しましたXF50-140mm F2.8で桜〜藤の花まで撮影しましたので、その作例とファーストインプレッションをお届けしたいと思います。

重いけど良いレンズですよぉ・・・

レンズスペック

簡単にご紹介したいと思います。

主な特徴

  • 全域F2.8
  • インナーズーム
  • 柔らかなボケ
  • 解像度は必要十分レベル
  • 古さを感じる側面も

主なスペックは下記しますので、ご参考までに。

焦点距離(フルサイズ換算)76-212mm
F値全域F2.8-F22
重さ(三脚座とフード除く)995g
径×長さ82.9mmx175.9mm
レンズ構成16群23枚
最短撮影距離1メートル
最大撮影倍率(換算)0.18倍
絞り羽根7枚
フィルター径72mm
手ぶれ補正
防塵防滴

ファーストインプレッション

1ヶ月ほど使用しての感想です。

美しいボケ

花を撮影する望遠ズームで私が最も重視していることは、ボケの美しさです。
前後のボケともに表現に取り入れるので、このボケが煩いと気になってしまいます。

このレンズはボケの煩さを感じる事はなく、前後共に綺麗にボケてくれます。
さらに絞ってボケ量が減った際も粗が見える事は少ないです。
草花の撮影は絞って背景の情報を取り込みたい事もありますので、絞ってもボケが美しい事は大変重要です。

ボケの美しさについては主観も入るので、後の作例をご覧頂ければと思います。

前後共に美しいボケです。
このボケ量だと煩くなるレンズも有りますが、綺麗さを保っています。

ちなみに開放での口径食は出ますので、ボケ味に玉ボケまで含めると気になる方もいらっしゃるかと。

口径食はこのように出ます。

元々XF70-300mmを使用していたのですが、ボケが煩い場合もあり本レンズの導入を決めました。(写りはシャープで軽くて寄れるので、何を重視するかだと思います。)

F4.5
絞ってもボケの美しさは維持されます。
1段以上絞ると解像もしっかりします。

シャープネスは必要十分レベル

XF16-55mm F2.8と比較すると、開放のシャープネスは少し落ちる感覚です。
必要充分なシャープネスは有りますが、16-55mmや新F1.4シリーズの単焦点と比べると「あれっ?」と思うことがあります。
恐らく非球面レンズの有無の差かと思います。

その分ボケはXF16-55より、XF50-140の方が柔らかく美しい印象です。

元画像
合焦部拡大
柔らかさを残しつつ解像しています

抑制された色収差

EDレンズ6枚、スーパーEDレンズ1枚を使用し色収差を抑制しています。
比較的出やすい群生した花の撮影でも目立つことは少なく、大変ありがたいです。

F2.8通しのありがたみ

単焦点と比較するとF2.8はそれほど明るくは見えませんが、特に過酷な環境でありがたみを感じます。
F4と比較した場合、晴れた日中ならssも充分稼げるので恩恵を感じる事はボケ量以外には無いかと思います。

これが夜間や光量を確保できない環境になってくると、話は変わってきます。
手ブレ、被写体ブレしないようギリギリまでSSを削りつつisoを上げるので、この一段の差が大きく効いてきます。
F4ならiso6400の環境でもF2.8は半分の3200で済みますし、同じiso感度でも倍のssが稼げます。

夜明けすぐで強風が吹いており、藤の花が揺れているシーンです。
光量が少ないのにSSは必要な場面でしたが、F2.8の恩恵でssを1/500sを確保しつつisoは1250に抑えています。
F4なら2500、F5.6なら5000の場面と言えばありがたみが伝わるのではないでしょうか。

優れた機能性

インナーズームと手ぶれ補正を備えています。
防塵防滴の観点から嬉しいですし、レンズが伸びず重心が変わらないため扱いやすく感じます。
手ブレ補正も体感3-4段分有り、しっかり止まります。
ボディにも手ぶれ補正が有る機種が増えていますが、レンズ側にもあった方がより止まる印象です。

2014年発売という事実

良いレンズですが、今の技術で作ればもっと軽くて写りの良いものが出来るのでは?と感じる場面もあります。

実際新しい70-300は軽くてシャープなレンズに仕上がっており、写りも遜色有りません。(ボケは差がありますが)

絞り羽根も7枚なので、9枚にして欲しいところです。

II型が楽しみでは有りますがきっと20万円を超えてくるので、おいそれとは手が出せなさそうです・・・。

作例

ボディはX-H2で画像は簡単にレタッチしています。

ボケが美しいレンズだからこそ出来る構図です。
うるさくなりがちな枝も綺麗にボケます。
前ボケに注目ください。
引きの構図だとF2.8ではボケ不足を感じる事もありますが、ボケ質は良好です。
絞って風景に使用しても🙆‍♂️
90mm F2と同様、フレアには強くない印象です。
ふんわりとした作例に活かすことも可能ではありますが。
F2.8でも望遠端で最短まで寄れば、背景は消し飛びます。
わずかな箇所を主役にすることが可能です。
背景も僅かにグルグルしますが、XF80mm F2.8と比較すれば良いほうです。
コントラスト低めが得意な印象です。
綺麗に光を捉えてくれます。
八重黒龍藤。
被写体が浮き上がります。
絞って撮影しても良い感じ。
風で揺れていましたが、F2.8の恩恵のおかげでisoを抑えて撮影できました。
望遠端開放で寄らない場合のボケ量はこれくらいです。
背景の情報が分かる程度に残ります。
朝日に照らされた藤の花を美しく切り取れました。
背比べ。
切り取る所を切り取りました
風に揺れて。
光を本当に綺麗に捉えてくれます。
コントラスト高めに編集してみました。
これも良い感じ。
藤の海に沈むような、そんな深い色。
光も綺麗ですし、良く写るものですからテンション高めで撮影していました😆
ハイキーもばっちこいのようです。
絞るとかっちり解像します。
これもお気に入り。

まとめ

作例を100枚ほどお届けしながら、感想をお伝えしました。
開放から凄くシャープ・・・というわけではありませんが、色収差を抑えながら美しいボケが楽しめるレンズです。
何よりボケを重視される方におすすめできますので、未所持の方は是非ご検討ください。

このレンズで切り取る四季が楽しみです。
また夏の草花を撮り溜めてお届け出来ればと思います。

ここまでご覧頂きありがとうございました!