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草花•昆虫撮影のスペシャリスト。XF80mm F2.8 macroレビュー。

2022年9月22日

こんにちは、ottottoです。

今回は愛用しているXF80mm F2.8 macroについて、レビューしたいと思います!
このレンズ、ネットではボケがうるさいなど良くないレビューも散見しており購入を悩まれているユーザーさんも多いと思います。
そんなユーザーさんの参考になればと思い、この記事を書こうと思いました!

結論

写りは大変素晴らしく、品を感じる
ただし重い・高い・デカいの三重苦
等倍マクロで写したい被写体がある人にはおすすめ

1.レンズ特徴

・Xマウント純正で唯一の等倍マクロレンズ
(センサーサイズの関係上、実際はおおよそ1.5倍です。)

現状唯一無二の純正等倍マクロとなります。
発表の有ったXF30mmF2.8の倍率が気になるところです。
これも等倍なら気軽なお散歩レンズとなるので、揺らいでしまいます。
※同じくお気楽お散歩レンズに部類されるZ MC 50mm F2.8も所有していましたが、なかなか気に入っていました。

マクロ能力参考画像です。10円玉もご覧の通りです。
オオイヌノフグリもここまで大きく撮影できます。


写りは一級品

贅沢なレンズをふんだんに使用しており、写りは一級品です。
解像感抜群、でもガチガチに硬くはない
ボケもピュアで煩さを感じない
と描写面は間違いないレンズです。
ただとある個性が有り、それで評価が低くなってしまっている一面があります。

キレキレですが、堅くはないです。


・750gとヘビー級

まさかのXF16-55mmF2.8より100グラム近く重いです。
大三元標準ズームレンズより重い単焦点はかなり限られています。
でも逆に考えてみて下さい。
他社製でも大三元標準ズームより重い単焦点は描写第一のレンズですよね。

つまりこのレンズもそういうことです。


・距離によってはぐるぐるボケが出る

このレンズの個性その1です。
作例の項目で載せていますが、距離によってグルグルボケが出ます。
これをオールドレンズのような味と捉えるか、汚いボケと捉えるかでこのレンズの評価は変わってしまいます。

ぐるぐるボケ参考画像です。


・開放付近だと、口径食が思いっきり出る
このレンズの個性その2です。
玉ボケがラグビーボール型•レモン型になる口径食の影響がかなり強いです。
前述のグルグルボケも相まって背景のボケがより回っているような錯覚を覚えます。
あえてグルグルボケを出して動的な表現も可能です。

F4くらいまで絞れば解消しますが、玉ボケが角張ってくるので難しいところです。
※ちなみに絞り羽根は9枚なので、XF90mmF2より角張りはマシです。

口径食参考画像です。
F7.1で円形になっている作例がありました。
F4以降が角張るイメージでしたが、距離によって角張り具合が異なるかもしれません。

主な特徴は上記の通りです。

その他使用していて気付いた点です。


外装はプラですが、そこまでチープとは感じません。むしろ少しでも軽量化してくれたことに感謝です。
金属外装だった場合カッコよくなるとは思いますがおそらく重量は800〜900g程度になっていた可能性が有ります。
XF50-140mmF2.8並みの重量とか考えたく無いですね。


絞りリングはクリック感弱めで分かり辛いですが、重さはしっかりあるので勝手に回ることは無いです。
XF90mmはゴリゴリとガサツに感じましたが、こちらはカチカチとしっとり回ります。

ピントリングはゴム製で、重さも適切です。
流石マクロレンズといったところで、手持ちの純正レンズの中では最も回す感触が優れています。
※個人的ランキング
1 位 本レンズ
2位 XF33mm F1.4
3位 XF16-55mm F2.8
ただ最短に近付く程必要な回転量が増えるので、その点については使い辛さを感じてしまいます。
マクロなのでしょうがないですが。

AFについてはリニアモーターのお陰で、0.5m〜無限遠なら子供も撮れるレベルで早いです。
マクロ域もそれなりの速度で合わせてくれるので、割と快適です。

ただしマクロ域でコントラストが低いものだと、最短〜無限遠まで行き来して迷う傾向がありますので注意です。

非球面レンズの宿命で年輪ボケは出ます。
ただ必ず出るわけではありません。

年輪ボケの参考に。

フードの装着感は良好です。
富士のレンズは初期のレンズほど装着感が〜と言われがちです。
実際XF16-55mmF2.8はしっかりハマりを確認した後に回さないと、変に噛み込んでしまいきちんと嵌りません。
XF80mmはそんなことはなく、気持ちよく嵌ってくれるのでその点は嬉しいです。
樹脂製のフードなので見た目はカッコよくは無いですが、長いので雨の日は重宝します。

2.描写について

レンズ構成は12群16枚。

スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ3枚、非球面レンズ1枚を含む構成と、この時点で只者では無い感をひしひしと感じます。

解像力は開放から高いのですが、硬く感じることは決して無く、柔らかさと品すら感じます。

中望遠として使用しても、被写体が背景から分離する感覚を味わえます。

ボケがうるさいなどの評価を目にしますが、それはグルグルボケを指す場合が見受けられます。
グルグルボケを考慮外にすれば、ボケ自体は前後共にピュアです。枝など煩くなりがちなボケを入れても上手く溶かしてくれる印象です。その辺りは絞ったXF90mmより優れています。

3.作例

ボケ味は大変綺麗に感じます。
花びらの質感がたまらないです。
中望遠としても使えます。
口径食については私は気にならないタイプなので、問題無しです。
絞ると玉ボケは角張ります。

4.まとめ

マクロレンズと中望遠両方を担える、描写第一のレンズです。
機能的にも死角は有りませんが、重い事がどうしても欠点です。
描写に重きを置いている人は、是非お試しください。

私は重いなーと思いつつ、このレンズでしか撮れない世界の為に持ち歩いています汗

焦点距離が換算122mmと、見慣れた風景も画角の狭さと圧縮効果で印象的に切り取れる画角です。
これ一本でも意外と撮れてしまう、そんなレンズです。

以上ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました!