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XF50mmF1.0で切り取る夜のお祭り〜尾張津島天王祭〜

2023年10月19日

本ブログをご覧頂きましてありがとうございます。
今回はF1.0の威力を確かめるべく、夜の祭りである尾張津島天王祭に行った際の記事となります。
F1.0×X-T4の手ぶれ補正で夜をどれだけ切り取れるか、作例を交えつつご紹介します。

もくじ

1.機材と設定
2.尾張津島天王祭について
3.作例
4.まとめ


1.機材と設定

ボディ:X-T4
レンズ:XF50mmF1.0/XF16-55mmF2.8
フィルター:nisi ブラックミスト1/8

広角〜標準域はXF16-55mmF2.8に任せて、基本XF50mmF1.0で撮る構成です。

絞った風景担当のXF16-55mm、ボケ担当のXF50mmF1.0と役割がはっきりしており、使っていて非常に楽しい構成でした。
焦点距離のレンジが24-83mmと狭めでは有りますが、その分画質的な妥協は有りません。

欠点はaps-cのレンズ2本にボディ1個なのに、2.2キロも重さがある点です。
私にとって、一日中背負って元気に持ち歩けるかは疑問符が付く重量です・・・。


設定
フィルムシミュレーション:PRO Neg.STD
露出 適宜調整
ホワイトバランス 適宜調整
ダイナミックレンジ 200%
ハイライト −1
シャドー +0
シャープネス 0
明瞭度 0
カラー +3
カラークロームエフェクト weak
カラークロームブルー    weak
グレイン・エフェクト無し


陽が沈むのを眺めながら巻藁船の出航の準備が出来るまで待つ形になるので、露出とホワイトバランスは逐一変えました。

基本青が綺麗に写るよう、ケルビンは低めに設定しました。


2.尾張津島天王祭について
愛知県津島市の天王川公園にて行われるお祭りです。
日本三大川祭りの一つで、実に600年近くの歴史が有ります。

約400個の提灯で飾った巻藁船が天王川公園の池を進みます。
大量の提灯を掲げた船が水面を進むので、リフレクション含めとにかく華麗な祭りです。

戦国や江戸時代の人と同じ祭り風景を見れると思うと、少しノスタルジーな気持ちになりました。
現代に至るまで、脈々と祭りを受け継いで来られた方々に感謝です。

巻藁船の準備スタートは18:00ですが、出航自体は20:00頃と2時間あります。
その間巻藁船の付近で、沈みゆく陽と変わりゆく空の色を楽しみながら過ごしました。
前述のノスタルジーな気持ちも相まって、ただ待っているだけなのですが、贅沢なそして充実した時間に感じました。
場所取りも兼ねて早めに行かれることをお勧めします。
※18時過ぎなら問題無く場所は取れました。


3.作例

陽が落ちる前から開場入りしましたので、夕方からスタートです。

XF50mmF1.0

会場はこのような提灯で飾られていますので、撮り方次第でいくらでも映えそうです。

会場内を周りながら巻藁船の飾り付け場所へ。

XF50mmF1.0

一個一個手作業で提灯を掲げて船を飾ります。
準備は2時間近くかけて行います。

今回は風が非常に強い日で、提灯の火が掲げてる最中でかなり消えてしまいました。
次回は風が弱い日に参加したいところです。

XF50mmF1.0

提灯の密度が凄いです。

XF16-55mm
換算24mm

広角で巻藁船を撮影。
画面外に一艘有り、計5艘で天皇川公園を回遊します。

XF50mmF1.0

暗くなってきて提灯の火が撮影できるようになってきました。

XF50mmF1.0

縦一列12個の提灯は12ヶ月を表しているらしいです。

XF16-55mm
83mm
1/15s -1ev iso320

段々と暗くなってきましたが、まだ手ぶれ補正を活かせば撮れます。
X-T4の手ぶれ補正が無ければ、既にisoは1000〜2000になっているレベルです。
F2.8の恩恵も有りますね。
暗くなってきましたので、ここから撮影条件も参考までに記載します。

XF16-55mm
換算34mm
F2.8 1/15s -1ev iso320

同じく手ぶれ補正を活かして。
見事なブルーアワーです。

XF16-55mm
換算24mm
F5.6 1/2s 0ev iso320

被写界深度が欲しかったので少し絞りました。
SSは手ブレしないギリギリの1/2sを選択。
このような場合は手ぶれ補正は正義ですね。


XF16-55mm
24mm
F5.0 1/2s -0.7ev iso320

空のグラデーションが見事でした。
風が強いおかげか、蚊があまりおらずその点は助かりました。

XF16-55mm
24mm
F2.8 1/4s -0.7ev iso500

暗さも本格的になってきました。
絞る余裕が無くなってきたので、開放にて撮影。
このレンズは開放からシャープに写りますが、絞ると更にシャープになります。
余裕が有れば絞りたいところです。

XF16-55mm
24mm
F2.8 1/2s 0ev iso640

空は若干の明るさが残っているものの、時刻は既に19:40過ぎ。
湖面に反射した提灯の灯りが綺麗です。
そしてズームレンズの限界が近づいてきました。
まだ手ぶれ補正のおかげでiso640を保っているものの、動きものは厳しいシャッタースピードです。
船が出航したらisoをガッツリ上げないと被写体ブレしそうです。

ここでXF50mmF1.0へ再度バトンタッチです。

見上げてみれば星空だったので、おもむろにレンズを向けてみました。

XF50mmF1.0
F1.0 1/2s 0ev iso400

ご存じ重いレンズなので若干手ブレしていますが、結構星も撮れてビックリです。
ちなみに非点収差も出ています。

引きでも撮りたかったため、船が動き出した辺りで16-55mmにチェンジしました。

XF16-55mm
24mm
1/8s 0ev iso800

広角域なら1/8sでも目立った被写体ブレは有りません。
進む速度が遅いおかげですね。

XF16-55mm
41mm
1/8s 0ev iso4000

イルミネーションなどで良くあるこの構図も撮りたかったのですが、片手で1.3キロを持ちながら1/8sは手ブレなしで切れませんでした汗

またXF50mmF1.0は最短撮影距離が70センチなので、この構図は撮影不可能です。

きちんと撮るなら、最短撮影距離が30センチ以下の単焦点が良さそうです。

ここでもう一度XF50mmF1.0へチェンジ。

XF50mm
F1.0 1/30s 0ev iso320

提灯に露出を合わせている事もありますが、この暗さでもiso320で1/30s確保できています。
F1.0の面目躍如といったところでしょうか。
ちなみにF2.8だとisoは2400くらいになりますね。

XF50mm
F1.0 1/60s 0ev iso3200

提灯ではなく、漕ぎ手に露出を合わせてみました。
被写体ブレを防ぐため1/60sに設定しました。
F1でもiso3200まで上がっている点で、暗さはお察し頂けると思います。
それでもこの条件で切り取れるのはF1.0の恩恵ですね。

ちなみにF2.8だと3段分iso感度が上がるので、拡張感度の25600まで上がってしまいます。

XF50mm
F1.0 1/60s 0ev iso5000

更に過酷な条件ですが、X-mountでこれ以上はF0.95レンズしか低い感度で撮れません。
ただ開放の画質も加味すれば、本レンズが最高画質かと思います。

XF50mm
F1.0 1/30s 0ev iso500

少し距離が離れたので、シャッタースピードを落としました。
漕ぎ手に露出を合わせなければ、かなりの低感度で撮影可能です。

XF50mm
F1.0 1/125s -0.7ev iso640

巻藁船を後ろボケにして提灯を撮影。
このレンズ、とにかくボケが綺麗なのですが伝わりますでしょうか?

XF50mm
F1.0 1/60s -0.3ev iso2500

被写体ブレは見たところしていません。
この船の速度なら、1/60sで足りそうです。

XF50mm
F1.0 1/125s -0.3ev iso1250

提灯は本物の火を使用しているので、燃えてしまう場合があります。
その場合はこのように棒で突いて、落としてしまうようです。

XF50mm
F1.0 1/60s -0.3ev iso1000

漕ぎ手を逆光で狙ってみました。

公園内の池を回遊しています。

ここで21時近くになったので、津島神社へ移動しました。
こちらは提灯メインの飾り付けとなっています。

XF50mm
F1.0 1/180s -0.3ev iso320

こちらはかなり明るいので、シャッタースピードにも余裕があります。
F2.8でも手ぶれ補正を使用すれば、低感度で撮れそうです。

上の画像とほぼ同条件です。
やはりこのレンズ、ボケが綺麗です。
早く終息することを祈願します。
XF50mm
F1.0 1/60s -0.3ev iso320

こちらは少し暗い環境でした。
ブラックミストの効果で若干フワッとしていますね。

XF50mm
F1.0 1/180s -0.3ev iso320

換算75mmなので提灯の数が伝わりにくいと思いますが、非常にたくさん飾られていました。


4.まとめ

F1.0のレンズを手に入れてから初めての夜スナップでしたが、期待通りの働きをしてくれました。

掲載した写真の中で1番過酷な条件は1/60sでiso5000でしたが、F1.4と比較しても1段分の差が非常に大きく感じました。
F1.0を活かして盆踊りなども撮りたいと考えています。

X-Mountをお持ちで夜の撮影が多い方、またはチャレンジしてみたい方はXF50mmF1.0をお勧めします。