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PRO Neg. Stdをカスタムしたら、撮って出しで良い感じの色が出た話。(蓮の花編)

2023年10月25日

いつも当ブログをご覧頂きありがとうございます。
今回はPRO Neg.Stdをカスタムしたら、撮って出しで良い雰囲気の色味が出たお話です。

jpeg撮って出しです。

普段簡単なレタッチもしてはいますが、撮って出しでレタッチ後のイメージに近付けておくに越したことはないかと思い、カスタム設定の追求を試みたのがきっかけです。

同じく富士フィルムのカメラをお使いの方、または興味がある方は是非ご覧頂ければと思います。

結論


ハイライトマイナス

シャドウプラス

カラープラス

露出プラス目


もくじ

1.フィルムシミュレーションの選定
2.設定
3.作例
4.まとめ
5.ロケーション紹介


1.フィルムシミュレーションの選定

カスタム設定するには、まずフィルムシミュレーションを決定する必要があります。

世代によって使用可能数は異なりますが、私の使用しているX-T4は実に12種類ものフィルムシミュレーションが登録されています。

jpeg撮って出しですが紫陽花で撮り比べした写真があるので、特徴についてはそちらをご覧頂ければと思います。
(今回はカラー前提なので、モノクロ・セピアは省きます。)

PROVIA
Velvia
ASTIA
クラシッククローム
PRO Neg. Hi
PRO Neg. Std
クラシックネガ
ETERNA
ETERNA ブリーチバイパス

今回撮るのは蓮の花の為、ピュアな色で撮影したいところです。
その為まずビビットなVelvia・特徴的すぎるクラシックネガ、ETERNAブリーチバイパスは除外します。

ETERNAはコントラストが低すぎるので除外。

残るはPROVIA /ASTIA/クラシッククローム/PRO Neg.Hi/PRO Neg. Stdとなりました。
この中でPRO Neg系以外は良く使用しているので、可能性を探る為まずはPRO Neg. Std を使用することにしました。

特徴は公式サイトでは下記の通りとなっています。

■ PRO Neg.Std
プロ用ネガフィルム「PRO160NS」がベース。
諧調と肌色の柔らかさが特徴で、作りこまれたライティングでのポートレート撮影に適しています。
また、ニュートラルな諧調により、撮影後に画像加工を行う際にも最適なフィルムシミュレーションです。

どちらかといえばコントラストが控えめのフィルムシミュレーションになりますので、階調を残しやすいと言えます。

また使用して感じたのは、俗に言う忠実色が出るフィルムシミュレーションなのかな?と感じました。

ただこのまま使うには少し眠めになるのと、色が足りなく感じましたので、設定で追い込んで行こうと思います。


2.各種設定

フィルムシミュレーションはPRO Neg. Stdに決定しましたので、今度は各種設定を決定していきます。

主な設定は下記の通りです。


露出 +1前後
ホワイトバランス AUTO
ダイナミックレンジ 200%
ハイライト −2
シャドー +1
シャープネス 0
明瞭度 0
カラー +3
カラークロームエフェクト weak
カラークロームブルー weak
グレイン・エフェクト 無し


たくさん有りますが、一つずつご紹介します。

方向性は①明るく②階調広め③よりカラフルに、です。

露出=+1前後で調整
普段使用するディスプレイにも左右されますが、私は基本スマホで完結させています。
その為スマホ準拠で行くと、まずレタッチする際明るさを足す場合が多いので、最初から明るめで撮影しています。

ホワイトバランス=基本AUTO
被写体の色によっては晴天などを選択します。

ダイナミックレンジ=200%
露出をプラス目にするので白飛び防止です。
400%にするとその分iso感度が上がりノイズも増えるので、基本は200%にしています。
状況によっては400%へ変更します。

ハイライト=−2
同じく白飛び防止で−2にしています。
あまり下げるとコントラストが低くなり眠くなってしまいますので、ここはまだ煮詰めたい所です。

シャドー=+1
上記の設定で眠くなりにくいよう、シャドーをプラスしてメリハリを少し出す意図です。

シャープネス=0
ふんわり撮りたい被写体によってはマイナス方向に振ってもいいと思います。
私は解像感も残したいので、0にしています。

明瞭度=0
ふんわり撮影したい被写体にはマイナス方向に振っても良いと思います。
この設定は保存に少し時間がかかる為、撮影のテンポが悪くなるのが難点です。
フィルターに投資出来るなら、ブラックミストにしても○。

カラー=+3
PROVIAやASTIAと比べると色はあっさり目なので、かなり足しました。
くどいと思われたら減らしてみてください。

カラークロームエフェクト=weak
色が飽和しないように、深みを出したい為設定しました。

カラークロームブルー=weak
同じく色が飽和しないように設定しました。

グレイン・エフェクト=無し
フィルムライクを目指しているわけではないので設定無しです。


3.上記の設定の作例

上記の設定で撮影した作例をお載せしたいと思います。
この日の天気は曇り時々雨がパラつくような状態でした。
直射日光がない分、綺麗に色が出たと思います。

機材

X-T4
X-Pro3
XF70-300mm
XF80mmF2.8

まずはXF70-300mmから

換算450mm

良いピンク色が出ています。
クラシッククロームで同じく色味を足したカスタム構成でも別日に撮影しているのですが、PRO Neg. Stdの方が優しい発色に感じます。
(曇りなのも大いに関係あると思いますが汗)

クラシッククロームにて 換算450mm

この白色と先端のピンクへのグラデーションは絶妙な感じで好きです。
こちらも青空含め清純な感じが出ていて好きです。

XF90mm クラシッククロームにて 
換算450mm
換算450mm

雨を少し止めたくシャッタースピードを1/500まで上げましたが、+露出も相まってiso感度が5000まで上がってしまいました。💦

換算105mm

適度にコントラストも残っていて、個人的にいい感じです。

換算298mm
換算450mm
換算360mm トリミング済み

花びらの上でひと休み。
蓮を撮る時はカエルも探したい所ですね。
ピンクから白にかけてのグラデーションが堪らないです。

換算450mm

物理的に蓮は近付けない場合が多いので、自然と望遠側を多用することになります。
最低換算120mm程度は欲しいところで、このレンズの450mm相当まで有れば不足は感じませんでした。

換算230mm

花びらのグラデーションが綺麗に出ていて、シャドー部は適度に引き締まっていると、お気に入りの1枚です。

ここからXF80mmF2.8へ選手交代です。

元データは花びらの立体感を感じます。
流石単焦点といった描写です。
変わった花びらを見つけたので。
八重咲きみたいで可愛いです。
今回の撮影の一番のお気に入り。

ちょうど透過光も有り自然光に助けられた感じも有りますが、今回で1番上手く撮れたのはこちらの一枚です。
色味は綺麗に出ており、透明感すら感じます。
+0.7evしていますがシャドーも適度に締まっており、狙いがハマりました。
あとレンズ性能の高さと周辺減光のおかげもあると思います。

ネットで良く口径食がー、グルグルボケがー、重すぎーといったレビューを見ますが(事実では有ります)、このレンズは大変よく写ります。
マクロ撮影で草花単体の美しさを追求したい場合はこのレンズを推します。

↓レビュー記事も有りますのでよければご覧ください。草花•昆虫撮影のスペシャリスト。XF80mm F2.8 macroレビュー。

少し寄って撮影。
シワ一本に至るまで描写されています。
少し角度を変えて。
すぐ側に咲いていたお陰でここまで寄れました。
マクロレンズですので思い切り寄って撮影。
中央の拡大です。
開放からご覧の通りの滲みのない描写性能です。
花びらの先端にピントを合わせた1枚です。
マクロレンズは大胆に切り取れるのがメリットですね。
蜂がいたのでそっと撮影。トリミングしてます。
元画像はこの切り取り具合ですが、
蜂に付いた花粉までしっかり描写しています。
これもお気に入りの一枚です。
白とグリーンで爽やかな印象の一枚に仕上がったと思います。

4.まとめ

曇りにも助けられましたが、結構良い色が撮って出しで出ていたように感じます。
ここまでご覧頂いていかがでしたか?
後半XF80mmの性能を褒め称える記事になった感は有りますが、花撮影される方へカスタム設定が少しでもご参考になれば幸いです。


5.(オマケの)ロケーション紹介

今回はフィルムシミュレーションのカスタム記事なのでロケーション紹介はオマケという形で付けさせて頂きます。

今回撮影したのは愛知県愛西市にある、「森川花はす田」です。
車の場合は伊勢湾岸の弥富インターから5キロほどです。
駐車場は有りますが停められる台数は少ないので、隣接の「道の駅立田ふれあいの里」に最初から停めるのもありだと思います。

電車の場合は、名鉄尾西線の佐屋駅から徒歩2キロです。
7/9と10のみ佐屋駅からのシャトルバスの運行があるようです。

蓮の花は午後には閉じてしまうので、行くなら午前中、しかも7時くらいの早朝をお勧めします。

あとこの場所は雨上がりにぬかるむので、汚れても良い服装、靴での訪問をお勧めします